2021.10.09/ブログ,
水俣病の映画と写真集を観る
昨日、ジョニー・デップ主演(および製作)の映画『MINAMATA』を観てきました。水俣病を取材し、世界に知らしめた写真家ユージン・スミス(1918-1978)を主人公とする映画です。そして今朝、水俣病センター相思社に注文していたユージン・スミスとアイリーン・美緒子・スミスによる写真集『MINAMATA』が届きました。この写真集、じつは今回の映画にあわせて46年ぶりに復刻されたものなんです。
映画『MINAMATA』公式サイト:https://longride.jp/minamata/
写真集『MINAMATA』復刻販売:https://www.soshisha.org/jp/archives/13112
水俣病については毎年授業のなかで取り上げ、それが単なる環境汚染の問題ではないこと、人の生活や地域のつながりを破壊してきたこと、大企業だけでなく政府や科学者も悪行に加担してきたこと、そして、いまだに終わりを迎えていないことなどを話します。話したいことは山ほどあって、その一つひとつがおたがいに関連しあっているため、なかなか分かりやすく説明することができません。というか、「分かりやすく」あるいは「かんたんに」講義をすることがいいのかという疑問が、常に頭に浮かびます。
映画『MINAMATA』の上映時間は2時間弱。たった2時間で、あの水俣病の何を伝えられるのか? そんな風に観る前は思っていました。映画を観終わって、たしかに「語られない事実」がたくさんありました。でも、この映画で、映像として見ることではじめて感じられたこともたくさんありました。特に、クライマックスの写真撮影の場。その写真を、今朝届いた写真集であらためて観たわけですが、写真家という職業の凄みを感じました。
ほんと、語りだすと切りがないので、最後に一言、ぜひ、みなさん映画館で観てみてください。
あと、写真集『MINAMATA』を相思社に注文すると、相思社が定期刊行している雑誌『ごんずい』も一緒に届きます(この記事のアイキャッチ画像がそれ)。そのなかには、なんとアイリーン・美緒子・スミスさんのインタビューも掲載されています! 写真集だけでなく、『ごんずい』もぜひ手に取ってもらいたいです。