目黒 紀夫 マサイ研究者 目黒 紀夫

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2022.09.06/ブログ,

「英語は国際学部に必要?」:キャンパス見学で模擬授業をしました

今日は台風11号の影響で、広島は朝から強い風が吹いています。大雨にはならなそうなので一安心ですが、そんな最中の昨日、9月5日に、大学をキャンパス見学で訪れていた高校生を相手に模擬授業をしました。

キャンパス見学をしたのは英語教育に力を入れている市内の学校ということで、模擬授業は英語で行いました。日本語もちょっと使ったけれど、スライドの内容はすべて英語だし(目黒紀夫という名前などは日本語でも書きましたが)、ぼくとしてもなかなか準備に手間取りました。

模擬授業では、ぼくが日本語で行なって講義で取り上げている英語の文学作品やアフリカ音楽、国際機関の報告書などを紹介しました。具体的には以下のものになります。

  • 「文学から学ぶ世界」よりJ. M. Coetzee著、Disgrace(J・M・クッツェーの『恥辱』、早川書房より出版)。
  • 「アフリカ研究」よりSheun Kutiの代表曲IMF(シェウン・クティのIMF、youtubeで視聴可)。
  • 「リーディング・パブリック・ポリシー」よりUNDPのHuman Development Report 2020(『人間開発報告書2020』、インターネット上で無料ダウンロード可)。

準備をするなかであらためて考えたのですが、英語ができなくても国際学部で国際学部らしい研究をすることはできます。世界の名著の多くが日本語に訳されているし、今の時代、優れた翻訳アプリであったり日本語訳がついている動画などもたくさんあります。英語ができるかどうかと、グローバルに考えることができるかどうかはまったく別物だとぼくは思います。

ただ、英語で書かれた小説や英語で歌われている音楽を理解するには、そこで使われている英語の意味を掘り下げていくことは必須だし、日本語に訳される過程で英語のニュアンスがそぎ落とされてしまうこともあります。それに、ケニアに行ってマサイの人たちの話を聞きたいとなったら、やっぱり最低限の英語ができないと厳しいかなとも思います。

とはいえ、昨日の模擬授業でも強調したのですが、ぼくの英語は、発音はかなりカタカナ風だし、文法的な間違いもちょいちょいあるし(aとtheの使い分けとか)、ぜんぜん完璧なものではないです。でも、英語で話すことに慣れてはいるので、たいていの人と英語でコミュニケーションをとることはできる自信があります。

昨日の模擬授業はうまく話をまとめられなかったなあと反省しているところなのですが、このブログを読んだ人には、とりあえず以下のことを伝えたいです。

  • 英語ができなくても国際的、グローバルなことを学んだりやったりすることはできる。
  • ただ、英語をやっておくと将来やれることが広がるかもしれない。
  • 英語それ自体に興味があるなら文法や単語、熟語などの勉強はやっぱり大切。
  • 世界中の人(特に欧米以外の地域の人)とコミュニケーションを取りたいなら、発音や文法が完璧な英語よりも、恥ずかしがらずに自分からどんどん話しかける姿勢がきっと大切。
  • アフリカでフィールドワークをして、英語で論文を書いている大学教員の英語はあんがい下手くそ。

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